「Hello」
「…わざとらしく英語で第一声はやめてくれない？」
「あ、お気に召さんかったか？お姫さん」
「お姫さん、とかもやめて」
「ご機嫌斜めやなあ」
「うるさい」
「やれやれ…せっかくのクリスマスやん。もっと明るい声出さな。愛しい彼へのプレゼントやと思って」
「彼っていうのは、せっかくのクリスマスにも帰ってくる気配のない遠距離恋愛の彼氏のことですか」
「はあ…まったく、かわええこと言わんといてや」
「何がよ」
「あんな」
「……」
「もうちょっとやし黙っとこうかと思ったけど…しゃあないな。あと5分でお前ん家着くから、準備して待っとき」
「…………はぁっ？！」
「せっかくのクリスマス、やん。直接会わなもったいないやろ」
「ちょ、な、おし…」
「おー、驚いとる、驚いとる」
「や、あ、ちょっと待って」
「待てへんな。やってもう着くし。一旦切るで」
「ちょ、ちょっと待ってよ！……もうっ！」

「メリークリスマス。やっぱこれは直接言わなあかんやろ？」
「……メリークリスマス…忍足」
「プレゼント、くれへんの？ここに」
「…莫迦」

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アレです。忍足の『We　are　all　alone』からの連作シリーズの二人だと思って下さい。

…ぶっちゃけ、ちょっとイメージ違うような気が、自分でもしてる。
とほほ…。

でも、こういう事をしてくれそうだなー、なんて。
おっしー、やっぱり愛してるぜ。

「蓮二くん」
「待たせたな。すまないな、せっかくのクリスマス・イブだったのに、部活明けしか時間とれなくて」
「いえ、いいんです。蓮二くんがテニスしてるの嬉しいから」
「そう言ってくれるのは嬉しいが、たまには我侭も言ってもらわないと寂しい気もするぞ」
「…本当に言ったら困らせてしまうでしょう？」
「本当に困るようなお願いを、俺の彼女はしてくれないからな。たまには困らせてくれてもいいんだぞ」
「蓮二君、珍しい。そんな風に言うの…。じゃあ、ひとつだけお願いしてもいい？」
「ああ、聞こう」
「あのね…今日、遅くなるって言ってきちゃったんです。だから…」
「ああ、最後まで一緒にいよう」
「蓮二くん？」
「お前がそう言う確立は95％だった。俺も遅くなると家には伝えてある」
「そ…そうですか…」
「ああ…お前のデータも随分集まったからな…メリークリスマス」
「…メリークリスマス」


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時間シリーズのヒロインと同一設定だと思って下さい。

乾に続いて柳、となると、何か私の好みが激しく偏っているかのようですが…。
柳愛は継続中です。創作に反映されてないけど。

「貞治、クリスマスは空けてあるんでしょうね？」
「…そもそもクリスマスというのはだな…」
「ストップ！私たちのどっちもクリスチャンでもなんでもない、っていうのなら聞かないからね！日本では、クリスマスは恋人たちの日なの！」
「…不正解だな」
「なにがよ」
「クリスマスとクリスチャンは本来関係ない」
「へ？」
「そもそも、クリスマスの12月25日というのは、冬至を祝う祭りだったものだ。それがキリスト教の布教に利用され、クリスマスという祝日になったもので…」
「ストップストップ！！」
「どうした」
「どうした、じゃないわよ！どっちみち、関係ない、って言いたいことにはかわりないんでしょ？それなら、私にも関係ない。で？クリスマスの予定は？」
「…やれやれ」
「どうなのよ」
「空けてあるよ、お姫様」
「………え？」
「日本では恋人たちの日なんだろう？俺には恋人がいるはずなんだが？」
「…空けてあるんだったら最初から言いなさいよ。さ、さだはるにしては、上出来じゃない」
「お褒めにあずかりまして。当日はまる一日もらうよ」
「うん。…メリークリスマス」
「メリークリスマス」


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そんな訳で、クリスマスSS。トップバッター乾。
なんで乾とか…。
いや、私乾好きなんですよ。ちゃんとプロフに書いてあるはず。
このサイトをやっていて、初めての乾が実は好きなんだよ、という自己主張だと思って下さい。

この調子で他の人書けるかな。