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妖精郷ブログ
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レッドクリフ診てきました

公開初日が土曜日で、なおかつ映画の日である1日。
我々、都会を舐めてました。

いやー、大変だったのなんのって!
席はインターネット予約していったのに、発券に30分近くかかりまして。
「早く着いちゃったね、余った時間どうしよう~」なんて言ってたのが嘘のよう。発券機の前にできてる長蛇の列に冷や汗。
なんとか発券して、まだ時間あったのでトイレへ行こうとしたのに、ロビーに溢れる人波にトイレへも行けない。というか、少し小さめの私はリアルにトイレがどこかの看板が見えませんでしたよ。
それでもなんとか行ったところ、館内放送でレッドクリフ入館できます、と。
一斉に流れ出す人波。目的は皆レッドクリフか…。
席に座って大して待たずに予告編始まりましたもんね。
さすが天下の新宿。いやー、凄かった凄かった。
自分イナカモンだったと、つくづく思いました。


で、まあ、人が凄かったとかいうのはいいとして、内容ですね。
ここからはネタバレを満遍なく思いっきり含みつつなので、たたみます。
長いですよ。読まれる方は覚悟して下さい。



長いもの読むのが面倒な人向けの箇条書き。

良かったところ
・キャスティング。特に魯粛、趙雲、孫権、孫尚香あたりが最高。
・戦。特に武器をガンガン持ち替えての戦い方。八卦陣。
・長江を埋め尽くす大船団。
・お茶。古代のお茶ってあんな淹れ方なんか!

悪かったところ
・張飛の見せ場
・周瑜がどう頑張っても美形に思えない。無理。
・諸葛亮に無意味な魅力を持たせようとしているように見える。
・曹操に大物っぽい威厳が感じられない。
・つまり、一番重要な主役級3人が、見た目としても描き方としてもイマイチなこと。



無駄に長い感想は以下から。

根本的に三国志でストーリー的には驚きは求めるものではなく、むしろどれだけ再現度があるかが問題な作品な訳じゃないですか。
そもそもの前情報として、小喬を真ん中においた曹操と周瑜との三角関係的なことを聞いた時、相当テンション下がっていました。三国志にラブロマンスはいらない、ってね。
それでも、中国映画は他の国にはできない人海戦術と風景があるので、壮大さではピカ一だと思うし、アクションがやっぱり他とは違いますからね。
わくわくして見ましたよ。


オープニングに、日本語で少々ナレーションが入ります。
あれ?吹き替えを観に来たんだっけ?と思わずびっくりしました。
長坂までのおおざっぱな流れを説明してくれているものなのですが、これって各国の言語で入ってるものなのかな?びっくりした。

ストーリーですが、長坂から赤壁の寸前くらい、ってところを、三国志を知っている人は脳内で時系列を追いかけて下さい。映画はその補完をするような作品です。って感じでした。
人物も一々説明は出るものの、やっぱり厳選された上で人数が多いですからね。三国志を知らない人は厳しいんじゃないかなあ?

献帝と曹操との関係がなかなか象徴的に描かれつつ始まります。
ここで曹操の現在の権力がいかに大きいかと示した後、すぐに長坂です。戦闘によるホットスタートですね。
民衆というものはいかに足が遅くなってしまうかと、しみじみ思いました。よくあんなの連れて民族大移動みたいなことしたよね。
そして、戦闘シーンがやっぱりかっこいい。無理なアクションじゃなく、結構リアルな感じで泥臭い。
特に感心したのが、どの武将も次から次に武器を持ち替えるんですよね。敵の武器を奪い取ったり、もぎ取ったり。ガンガン折って壊すし、すぐに手持ちを放棄するし。刃が付いているからといって切ったり刺したりを重要視せず、振り回して叩き落す戦い。
正しい戦のありかただと思いました。


で、しょっぱなから本当に、本当に残念でならない展開が。
なんと長坂での張飛仁王立ちが無い!最後に残るのが関羽になってる!
わかる。わかるんだ。
長坂から赤壁でしょ?あれだよね、最後に関羽が曹操逃がすとこまでやるんでしょ?だからその理由づけしたんでしょ?わかるよ。
わかるけど、これは本当に…本当に残念でならない。
おかげで張飛の凄さというか、どれほどの猛将なのかというところが薄れてしまっていて。あーもう、本当にこれが最高に残念!!
援軍を欲しがったりしてるしね。むしろ俺一人で充分じゃい!って言いそうなんだけどなー。
張飛ファンの友達の顔が思わず思い浮かんでしまいましたよ。

で、関羽が一人殿をつとめて大暴れした後、曹操に見逃されて立ち去って長坂を終えるのです。
その関羽ですが、ちょっと背が低いんじゃないかなぁ?
もうちょっと髭はがっつりあっても良かったんじゃないかなあ?
なにかね、今ひとつ大物感が薄いというか。
もちろん、見せ場はあるし戦いも派手だし、子供たちに学問教えてるシーンなんかもあって、いいんですけどね。
純粋に、もうちょっと大きい人がやった方がいいんじゃないかなー、と思いました。うん。

対して趙雲のかっこいいこと!
馬超は錦と呼ばれるだけあってきらびやかな印象ですが、趙雲は偉丈夫というイメージじゃないですか。
だから、顔はそんなに良くなくていい。と思いつつも、この人か~と思っていた観る前の私はどっか行きましたね。
もう全編満遍なくかっこよかったです。長坂で阿斗様を背中にくくりつけて走り出すときなんかね、その必死さがぐっときました。
確かに懐に入れた方が守れるんだろうけど、手は前で取り回すことの方が圧倒的に多い訳で、背中に背負う方が確かに動きやすいよなぁ…とか、下らないことを思ったり。
長坂だけじゃなくその後も、戦いや人と対峙するときなんかに、顔じゃなく生き様がかっこいい。真面目さや誠実さという、趙雲に欲しい要素がよく現れていました。
ほんとーーーにかっこいい。彼は趙雲だ。


なんとか長坂を越え、諸葛亮が呉と手を結ぼうと提案するのですね。
ある意味、物語はここから始まります。
ここで、我らがヒーロー(?)魯粛の登場ですよ!
いや、私も連れも魯粛が大好きなんですけどね。この映画の魯粛ったら、一目見て「魯粛だ!!」って思わず声が出そうになったほど、魯粛としか思えない風貌をしてるんですよ!!何しろ映画が終わった後の第一声は「魯粛最高」でした。マジで。
で、まあ興奮しつつ、呉の官僚たちと諸葛亮の対決シーンですね。
ここは諸葛亮の見せ場だと思っていたのですが…これがかなりさら~っと流されまして。あれー?です。
まあ、この映画はそもそもが諸葛亮と周瑜との友情物語でもあるようなので、ここじゃなくても見せ場だらけなんですよね、諸葛亮も周瑜も。
ですが、三国時代、論者の口上や舌戦というものがとても重要だと思うので、ここはもうちょっと丁寧にやって欲しかったなぁ。
これも残念な点。

関係ないけど、諸葛亮が人から呼ばれる時、字幕は「諸葛孔明」って出るけど映画では「諸葛亮」って呼んでると思う。多分。


ここで孫権も初登場ですが、この孫権すっごい良かった。
若造っぽさとか、自信のなさそうなところとか、けれど人の上に立つべき者が持ってる気というか。うん、なんか色んな意味でいい感じだと思いました。
ついでにここで触れておくと、孫尚香も相当良かったです。
自信があって気が強くてでしゃばりで、けれど鬱陶しくはない。好感が持てる感じでした。


ようやく周瑜と諸葛亮が出会おうという場面ですが、その前に甘興。
…甘興って名前だけど、甘寧だよなぁ?この人。元海賊とか言われてたし。なんで名前が違うんだろう?
甘寧ファンとして、微妙な気持ち。
まあ、そこはともかく、これが中村獅童なんですが…。
この人、ほんっっっとーーーに、目立つ顔立ちしてますよね。この顔つきは、一財産だと思います。本気で。無骨な性格のキャラやらせたら、黙って立ってるだけでそう見えますもん。
セリフが少なめだったのは、やっぱりうまく北京語が喋れないってことなんでしょうか。
とにかくいーい感じでした。甘寧かどうかはともかくとして。

で、甘興が兵士の訓練をしているところへ諸葛亮が魯粛に案内されて来るんです。
それを見ている周瑜。(ようやく周瑜登場。長い)
ここでの周瑜初登場の表現がまた周瑜らしくて良かったです。
というか、ここ以外で周瑜の芸術に造詣が深い的な表現がイマイチだったのでね。
ここでの出来事も、兵士を大切にする呉らしい風景だと思いました。

しかし、この、周瑜がねー…。主人公の一人なわけで、トップクレジットなわけで、トニー・レオンは確かに名優なのかもしれないけど…。
美周郎というには、あまりにも無理が…。
最初から最後まで、周瑜が映るたびに、もうちょっと美しい人がやれなかったのかと…。いっそ、諸葛亮(金城武)と役入れ替えようよ、と思っちゃいましたよ。それだと諸葛亮が歳とりすぎるんだろうけどさ…。
戦のシーンでも、無理に自分が前線に出ることないだろう、総大将が、とか思っちゃったりとかね。
微妙。

この後小喬の登場、諸葛亮と周瑜が互いを認め合う(?)などあるのですが…このあたりには魅力を感じなかったので、割愛。
どっちかというと、微妙でしたので。
孫権が決心する場面は中々いい演出でしたが。
やっぱり虎なんだな。うん。


とにかく呉と劉備軍が共闘することになって、各武将が対面。
…この時に劉備がわらじを編んでるのは、ちょっとやりすぎなのでは?
そういえば劉備について触れていませんでしたが、かなりおっさんです。ある意味、正しいです。孫尚香との年齢差の対比がはっきりして、いい感じです。人のいいおっさんとしか見えないところがまた良しです。
かなり孫尚香と絡めてきているので、政略結婚まで話持ってくのかな…。それ入れたら話ややこしくならんだろうか?と無意味な心配しています。


曹操軍は赤壁に向けて移動をしています。
地図上に「赤壁」と書かれていたのが残念。この戦いで赤壁と呼ばれるようになったって話だし。
宴の最中に小喬似の舞姫がいて云々はどうでもいいです。
医者に華佗がついてます。主治医なんで、史実よりですね。(というか、全体的に史実よりだというのが連れの意見です)

ところで私は曹操はあんまり好きじゃないんですよ。織田信長も好きじゃないので、ああいった描かれ方をされる人物があんまり好きじゃないんだろうな。
まあ、私の好みはおいておくとしても、いまひとつイメージじゃなかった。
なんか、劉備と孫権を軽く見てるのが(曹操の)演技なのか、本当にそう思っているのか、微妙…実際にそう思っているという演出なら、うーん…と思っちゃうし。曹操、そんな莫迦じゃないだろう、とか。
短い時間に凝縮しなければならない映画で全ての人物をしっかり描くのは不可能なので、これはかなり判りやすく悪役演出されているんだろうな。
考えてみれば中国では曹操はどちらかというと好かれているという話なので、中国人が作った三国志の話で曹操が悪役設定なのは凄いかもしれない。さすがジョン・ウーかも。

曹操の水軍が長江を埋め尽くしているシーンは、圧巻でした。
河の両側がどうあがいても楽には進めない断崖で、こういう場所で水軍があるっていうのは凄いことだと。
その水軍が川面をまさに埋め尽くしている。これはほんとに凄かったです。


赤壁に迫ってくる曹操軍と劉備・呉連合軍が前哨戦をします。
この八卦陣がよかったー。
あー…なるほどね、八卦陣ってこんなんか。ってなもんで。
圧倒的に数で劣っているので、とにかく小分けにして各個撃破。その各個を撃破するのが集団ではなく、各武将の圧倒的武力。(笑)
張飛、関羽、趙雲、甘興が暴れる暴れる。甘興、部下をよくしつけてあるなーって笑っちゃったり。
そして周瑜。
…周瑜が出る必要あったのか?とここで思ってしまったのですが。総司令が全体を見渡す位置から動く、ってなあ。
趙雲庇って矢をうけちゃったりして、いい人っぽさは確かにあるんだけど…てっぺんの人がやっちゃいけない事だと思うんですよね、こういう行動って。

で、前哨戦を勝って、これから赤壁で決戦だね!ってとこで待て次号!です。
最後に諸葛亮が鳩を飛ばしていましたが、行き先は鳳雛と呼ばれた人んとこ…でしょうね。違ってたらびっくりだ。
そういえば、諸葛亮が周瑜に十万本の矢を用意せよ、と言われた話は出てきませんでした。残念。


長い映画で途中でちょっと疲れたけど全体的に面白く観れました。

…映画よりも私の感想が長いよ。2時間以上打ってたよ。
とにかく、観終わって第一声は「魯粛最高!」でしたが、ゆっくり思い返すと「趙雲最高」です。(笑)

予告編が入っていましたが、後編は小喬が大きく絡んできそうで、オリジナル展開が増えそうです。
なので、レイトショー(安い)で観に行こうと思います。
ここまで読んだ方、本当にお疲れ様でした。
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